
あなたは、
- 妊娠中に温泉旅行に行きたいけれど、お腹の赤ちゃんが心配
- 妊婦が温泉に入って本当に大丈夫なの?
- 安心して温泉旅行を楽しむための注意点を知りたい
このようなお悩みをお持ちではありませんか?
妊娠中に「夫婦で温泉旅行を楽しみたい」と思っても「妊婦は、温泉に入らないほうがいい」と聞いたことがあると不安になりますよね。
結論から言えば、妊娠中に温泉に入っても母体やお腹の赤ちゃんに悪影響は与えないと言われています。
妊婦は、温泉に入らないほうがよいという医学的な根拠はなく、平成26年に「温泉法」が改正されると、禁忌症の対象から除外されました。
もちろん、妊娠中の温泉旅行をより安心して楽しむために、気をつけたほうがよいことはあります。
この記事では、以下のテーマについて解説します。
- 妊娠中に温泉に入っても大丈夫な理由
- 温泉に入る時に気をつけたい5つのこと
- 妊娠中に温泉旅行を楽しむ4つのポイント
この記事を読んで、安心して温泉旅行に行けるよう注意点やポイントを確認しましょう。
1章:妊娠中も温泉に入って大丈夫!
現在、妊娠している方の中には「妊娠初期や後期の女性に、温泉は禁忌」といった話を聞いて、不安になったり、温泉旅行をあきらめたりする方がいるかもしれません。
この章では、妊娠中の女性が温泉に入っても問題はないということを説明します。
- 妊婦が温泉を避けるべきと言われていた理由
- 母体や赤ちゃんに与える影響
- 妊娠中に温泉に入るメリット
それぞれ解説します。
1-1:妊婦が温泉を避けるべきと言われていた理由
妊婦が温泉を避けるべきと言われていた理由は、昭和57年に定められた「温泉法」の中で、禁忌症の対象とされていたからです。
妊婦が、温泉に入ってはいけない明確な理由はありませんでしたが、当時の外国の文献や俗説を参考にした可能性があると言われています。
医学的な根拠が無いことから、平成26年に温泉法が改定され、禁忌症の対象から「妊娠中の女性」は除外されています。
妊娠中に温泉に入ることについて、過度な心配はしなくてもよいでしょう。
1-2:温泉が母体やおなかの赤ちゃんに与える影響
母体やおなかの赤ちゃんに、温泉がどのような影響を与えるのか、気になりますよね。
妊娠中に温泉に入っても、次の7項目に異常はないとされています。
- 血圧
- 脈拍
- 酸素飽和度
- 体温
- 子宮収縮
- 胎児の心拍数
酸素飽和度とは、全身に酸素が届いているかをチェックする目安です。
妊娠中の女性が温泉に入っても、上記の7項目に異常がないことから、温泉が母体やおなかの赤ちゃんに悪影響を与えるとは考えにくいでしょう。
1-3:妊娠中に温泉に入るメリット
妊娠中に温泉に入るメリットは、次の3つです。
- リラックス効果
- 冷え性の改善
- 肩こり・腰痛の緩和
それぞれ解説します。
1-3-1:リラックス効果
妊娠中に温泉に入るメリットの1つ目は、リラックス効果を得られることです。
温泉に入ると副交感神経のはたらきが優位となり、身体や心がリラックスした状態になります。
自律神経が整えられ、睡眠障害や不安な気持ちも改善されるため、ストレス軽減にも効果的です。
1-3-2:冷え性の改善
妊娠中に温泉に入るメリットの2つ目は、冷え性の改善が期待できることです。
妊娠中は、ホルモンバランスによる体質の変化や、運動不足などによって身体が冷えやすい状態になっています。
温泉に入ることで血行が促進され、冷え性の改善が期待できるでしょう。
1-3-3:肩こり・腰痛の緩和
妊娠中に温泉に入るメリットの3つ目は、肩こり・腰痛の改善に効果があることです。
妊娠中は、お腹が大きくなるにつれて反り腰になりやすく、腰や背中に痛みを感じやすいです。背中の筋肉が緊張すると、肩こりや首の痛みを助長する可能性があります。
温泉に入り、血行が促進されると筋肉の緊張がやわらぐため、肩こりや腰痛の緩和に効果的です。
2章:妊娠中に温泉へ入るときに注意したいこと5つ
妊娠中に温泉に入っても大丈夫だとわかっていても、「より安全に温泉を楽しみたい」と思いますよね。
温泉に入る時に気をつけたいことは、次の5つです。
- 浴室での転倒
- 温度の高いお湯や水風呂
- 長時間の入浴
- こまめな水分補給
- 空腹時や食後すぐの入浴
それぞれ説明します。
2-1:浴室での転倒
妊娠中に温泉に入るときに注意したいことの1つ目は、浴室での転倒です。
妊娠中の転倒には、子宮収縮や胎盤の早期剥離などといったリスクがあります。
妊娠中期以降は、次第にお腹が大きくなり、身体のバランスを取ることや足元の安全確認が難しくなってきます。
また、温泉の成分によって床が滑りやすくなっている場合があるため、入浴時は手すりや壁を使い、いつも以上にゆっくりと移動するようにしましょう。
2-2:高温の温泉や水風呂
妊娠中に温泉に入るときに注意したいことの2つ目は、高温の温泉や水風呂です。
42度以上の高温のお湯や30度以下の水風呂は、血圧が急変しやすく、母体やお腹の赤ちゃんに負担をかけるおそれがあります。
妊娠中には、38度〜41度のぬるま湯がオススメです。
また、浴室や脱衣所などの温度差でも血圧は変化しやすいため、なるべく露天風呂も控えたほうがよいでしょう。
2-3:長時間の入浴
妊娠中に温泉に入るときに注意したいことの3つ目は、長時間の入浴です。
長時間の入浴も、血圧に急激な変化をもたらすため避けたほうがよいでしょう。
入浴時間が長いほうが身体が温まるイメージがありますが、38度以上のお湯に10分程度浸かるだけでも深部体温が上昇すると言われています。
「せっかくだからもう少し長く温泉を楽しみたい」
「10分だけじゃ物足りない」
このように感じる方は、足湯などで部分的に温めるのがオススメです。
足湯に浸かるだけでも、身体の芯から温まる感覚があるでしょう。
2-4:こまめな水分補給
妊娠中に温泉に入るときに注意したいことの4つ目は、こまめな水分補給です。
妊娠中は血液量が増加するため、より多くの水分が必要とされており、1日に1.5〜2リットル程度が推奨されています。
温泉利用時は、発汗作用により体外へ水分が出てしまうため、入浴前後にコップ1杯の水分補給をして脱水症状を予防しましょう。
水分補給をするときは、身体への負担が少ない常温の飲み物がオススメです。
冷たすぎる飲み物は内臓を冷やし、体調を崩す可能性があるため注意しましょう。
2-5:空腹時や食後すぐの入浴
妊娠中に温泉に入るときに注意したいことの5つ目は、空腹時や食後すぐの入浴です。
空腹時に温泉に入ると、貧血や低血糖を引き起こす可能性があるため、オススメしません。
ほかにも、胃酸が過剰に分泌されることで吐き気やめまいの原因になると言われています。
食事前に入浴する場合は、軽食をとった後に15分程度休憩してからがよいでしょう。
一方、食後すぐの入浴は胃腸の働きが低下するため、消化不良を起こしやすくなります。
食事後は、1時間程度休んでから入浴することがオススメです。
【コラム】妊娠中に避けたほうがよい温泉のタイプ
結論から言うと、妊娠中に避けたほうがよい温泉のタイプは、特にありません。
しかし、妊娠中は肌がデリケートになっているため、心配な方は、次の泉質を避けるとよいでしょう。
- 硫黄泉
- 酸性泉
- アルカリ泉
硫黄泉と酸性泉は、肌への刺激が比較的強いため、入浴後はシャワーで洗い流すことをオススメします。アルカリ泉は、他の泉質にくらべて床が滑りやすいため転倒に注意しましょう。
3章:妊娠中に温泉旅行を楽しむポイント4つ
この章では、妊娠中に温泉旅行を楽しむポイントを紹介します。温泉旅行を楽しむポイントは、次の4つです。
- 医師に相談してから温泉旅行を計画する
- 近場の温泉を選ぶ
- 貸切風呂や妊婦向けプランのある旅館を選ぶ
- 母子手帳と保険証を持参する
それぞれ説明します。
3-1:医師に相談してから温泉旅行を計画する
妊娠中に温泉旅行を楽しむポイントの1つ目は、医師に相談してから温泉旅行を計画することです。
妊娠中は、体調に変化が起こりやすかったり、疲れが出やすかったりします。
妊婦健診で経過が順調であったとしても、主治医に相談し、許可をもらってから温泉旅行の計画を立てることをオススメします。
温泉旅行を計画する中で、気になることがあれば主治医や助産師に尋ねるとよいでしょう。
3-2:近場の温泉を選ぶ
妊娠中に温泉旅行を楽しむポイントの2つ目は、近場の温泉を選ぶことです。
具体的には、車で2時間以内の場所を選ぶとよいでしょう。妊娠中は疲労を感じやすいため、移動中も適度に休憩を入れながら、身体に負担をかけない工夫をすることが大切です。
飛行機や新幹線の利用は、妊娠中の体調や急変時のリスクを考えるとオススメしません。
妊娠中は、血栓症になりやすいため、同じ姿勢で長時間過ごさないようにし、こまめに水分を摂りましょう。
3-3:貸切風呂やマタニティプランのある宿を選ぶ
妊娠中に温泉旅行を楽しむポイントの3つ目は、貸切風呂やマタニティプランのある宿を選ぶことです。
貸切風呂や温泉付きの客室を利用することで、家族や友人と一緒に入浴でき、安心して楽しめます。
また、妊娠中の女性が快適に過ごせるマタニティプランの利用もオススメです。
マタニティプランには、次のようなサポートがあります。
- 食事の配慮
- 急な体調不良によるキャンセル料免除
- 特別なアメニティの用意
泊まりたい宿にマタニティプランが無い場合は、妊娠中でも宿泊できるか宿泊施設に確認するとよいでしょう。
3-4:母子手帳と保険証を持参する
妊娠中に温泉旅行を楽しむポイントの4つ目は、母子手帳と保険証を持参することです。
妊娠中は、いつ体調不良になるかわかりません。
万が一、旅行先で病院受診を余儀なくされた場合、妊娠中の経過を把握するために母子手帳は有効です。
旅行の際に忘れないよう、普段の生活から外出時には、母子手帳と保険証を持参することを習慣にするとよいでしょう。
まとめ:妊娠中はしっかりと準備をして温泉旅行を楽しもう
妊娠中に温泉に入っても、母体やおなかの赤ちゃんに悪影響を与えるといった医学的根拠はありません。
温泉を適切に利用することには、次のようなメリットがあります。
- リラックス効果
- 冷え性の改善
- 肩こり・腰痛の緩和
温泉を利用するときに、気をつけたいことは次の5つです。
- 浴室での転倒
- 高温の温泉や水風呂
- 長時間の入浴
- こまめな水分補給
- 空腹時や食後すぐの入浴
特に注意が必要なのは、浴室での転倒です。
泉質によっては、床が滑りやすくなるものもあるため、移動の際は手すりや壁につかまるようにしましょう。
妊娠中に温泉旅行を楽しむためのポイントは、次の4つです。
- 医師に相談してから温泉旅行を計画する
- 近場の温泉を選ぶ
- 貸切風呂やマタニティプランのある宿を選ぶ
- 母子手帳と保険証を持参する
マタニティプランのある宿は「じゃらん」や「JTB」などで簡単に検索できます。
「泊まりたい」と思う宿を見つけたら、主治医に相談して温泉旅行の計画を立てましょう。